叶えたい花。
 こんな感じの恋愛沙汰は何度もあったから慣れてないって言っちゃ嘘になる。でも、自分からすることに限る。
 ちゃんと甲斐先輩に家まで家まで送ってもらったものの、結局、この日家に帰ったのは10時過ぎだった。
 そして、ずっと真面目ちゃんをしてきた私は父や祖父母に嬉し涙を流されました。
 すると、響さんが私のところにきてこう聞いてきた。

「あ、あの…どこにいたの…?」

 そんな響さんに珍しいなと思いつつ、私はこう返したのだった。

「プラネタリウムです」

「そっ…か…」

 それ以上、響さんは何も聞いてこなかった。でも、まだ何かを聞きたいような素振りで私を見ていたのは、私も知らなかった。
 次の日、陽輝は迎えにくるなり勢いよく頭を下げて、

「ほんとごめん!」

 と、私に言ってきた。もちろん気にしていなかった私は、

「今度何かおごってね」

 と、冗談半分に頼んだのだった。陽輝は、

「おう!」

 と、すんなり了解してくれたのだった。
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