叶えたい花。
「いや、絶対バカだ」

 と、甲斐先輩は反抗してきた。もちろん私は

「ばかじゃないです」

 と、返す。でも、甲斐先輩はやっぱり

「バカだ」

「違います」

「じゃあアホだ」

「違います」

「うるせー、ちび」

「甲斐先輩がおっきいだけです!」

 と、ちょっとした言い合いを始めてしまったのだった。もちろん、甲斐先輩のファンの子たちからしてみたら、仲良しこよししているようにしか見えないだろう。その証拠に、甲斐先輩と離れた後、

「ちょっと来て」

 と、その子たちのリーダー的な人たちに呼び出される始末。
 やっぱり甲斐先輩と関わると良いことがほとんどない。
 校舎裏に連れて行かれると急に突き飛ばされた私。すると、

「あなた何様のつもり!?甲斐様といちゃいちゃベタベタしちゃってさぁ!」

「調子に乗ってんじゃないわよ!甲斐様が汚れてしまうでしょ!」

「そうよ!第一、甲斐様があなたみたいなブス!相手にするわけないじゃない!」

「不釣り合いなのよ!気色悪い…」

「まさか、甲斐様に本気で好かれてるって思ってたんじゃないでしょうね!?」
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