叶えたい花。
「どうなのよ、言ってみなさいよ!」

「ほら!言えないんじゃない!この意気地なし!」

 こんな感じで猛攻撃してくるその子たちに、私はこう言ってみた。

「そうだけど、どうかしたの?」

 もちろん、その子たちは私の頭がおかしいとでも思ったのか、こう言ってきた。

「はぁ!?あんた何様のつもり!?バカじゃないの!?」

 私はというと、

「バカだけど?どうかした?あなたたちの甲斐様がいつも私に言ってるじゃない。耳でも遠くなった?授業、入れなくなっちゃうからもうそろそろ行くわ」

 と、その場を離れようとした。でも、その子たちは私の腕をつかんで突き飛ばし、私をフルボッコにして帰っていった。
 そんなあの子たちに、私は呆れていた。やっぱり、甲斐先輩に関わると良いことなんてほとんどない。
 そう思いながら、私は意識を失った。気がついた時には、

「バカ!何してんだよ!」

 と、目の前に、安心したような心配しているような表情の甲斐先輩がいた。
 私は、まだ虚ろな意識の中、甲斐先輩の声を聞いていた。

「おい!聞いてんのか!おい!バカ!」

「ばかじゃないです…」

 ごもごもした声でそう言う私に、甲斐先輩はこう愚痴っていた。

「たくっ…、何がファンクラブだよ!これだから年下は嫌いなんだ!調子に乗りやがって…。俺は芸能人じゃねぇ!」
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