叶えたい花。

　家に帰ると、慌ただしかった学校の雰囲気とは裏腹に、とても静かで平和な雰囲気が流れていた。でも、そこには心配そうな顔をしたおじいちゃんとおばあちゃん、それに正社員のおばさんたちもいた。

「只今戻りました」

　私がそう言うと、おばあちゃんは、

「大丈夫なのかい…？」

　と、不安そうな表情をして私を見た。しかし私が、

「ありがとうございます、ご心配には及びません」

　と返すと、

「休め」

　と、おじいちゃんが言ってくれた。

「恐れ入ります」

　私がそう言うと、

「そんな堅くならなくても…」

　と、正社員のおばさんの一人がそう言った。おじいちゃんたちは、

「わしたちは気にせぬ。後に変えてゆきなさい」

　と、私に言ってくれたのだった。きっと娘が連れてきた男の連れ子という私の立場を気遣ってくれているのだろうと思っていた。すると、突然父がこう言ってきた。

「部屋に入っていなさい」