叶えたい花。
と、言ってきたので、
「いえ、まさかそんなことをしてくださっているとは思っていなかったものですから」
と、素直に言うと、
「る、るっせぇな!しゃーねぇだろ!心配だったんだからよ!」
と、案外あっさりと嬉しいことを言ってくれた甲斐先輩に、胸が高鳴りそうになっていると、
「なーんてな、んなわけねぇだろ。惚れたか?」
と甲斐先輩はいつもの調子で言ってきた。
去年一年間この絡みをやってきたけど、未だに慣れる気がしなかった。
「惚れてないですってば」
私がいつも通りそう言うと、甲斐先輩は笑ってくれた。
なぜかよくわからないけど、そんなころころ変わる甲斐先輩を見て私はすごく安心していた。
「おい、お前さぁ」
そう甲斐先輩が言ってきたので、
「?」
と見ると、急に口を噤んで、
「…、…。やっぱ何でもねぇ」
と、言い出した。私は疑問しかなかったが、
「はぁ…?」
と、言うことしかできなかった。しかし、甲斐先輩はこう言ってきた。
「…あいつらのこと…好きだったのか…?」