叶えたい花。
 と、言うことで、シゲのサボり場に着く。シゲのサボり場は、今はほとんど使われていない、生徒指導室だった。私はというと、

「何一番入れられてそうな所でサボってんのよ」

 と、つっこんでいた。シゲは、

「るっせぇなぁ。校長のおっさんがここ使えつったんだよ」

 と、意味の分からないことを言っていた。私は耳を疑って、

「校長先生が?」

 と、聞き返した。シゲは、

「おーよ。わりーか」

 と、教室にいたときには聞いたことのない低い声でそう言った。私は、

「自分、作ってんだ?」

 と、シゲにそう言った。もちろん、本気で言ったわけではない。でも、教室にいるときとサボっているときの、シゲの態度が違い過ぎてイライラしてしまったのだ。シゲは、

「当たり前だろ。鬱陶しいんだよ、周りの奴らみんな」

 と、言っていた。私はというと、なぜか自分を否定されたと思い、

「そ…か…」

 と、涙を堪えてた。
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