叶えたい花。

草食系人見知りバイト仲間

 私は隣の棟にある大学生の手伝いに行く。簡単に言えば、雑用係をしに行くんだ。
 私がこの雑用係を引き受けた理由は単純だった。理由は、行事中に寝て成績が落とされないようにすることと、

「あれ?君…、物好きだなぁ…」

 頼り気のないうちの店のバイト大学生、響さんと基本一緒になれるから。ただそれだけだった。

「響さんも物好きですね。こんな雑用、うちでもやるのに」

 うちの店は古くから受け継がれる駄菓子屋と小さな子供を中心とした本屋の二つをやっていて、響さんは本屋の方のバイトさん。でも、こんな田舎にある本屋の仕事なんて、売っている本の整理などの雑用しかなかった。でも、響さんは

「だってよそ者は地域密着型でいかないとあれだろう…?」

 と、自分が転勤族の家で育ったことを根に持っていた。

「そうですけど、急ぐと余計時間かかりますよ~」

 と、よそ者だった私の父の経験談を響さんに話した。響さんは、

「ははっ…、参ったなぁ…」

 と、力無くはにかんで、困ったように手を首に回していた。
 そんな噛み合いそうで噛み合わない響さんとの会話が、今までの行事中の日課だった。
 そんなこんなで昼休みになると…
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