叶えたい花。
「生憎ですが、こんな僕でも必要としてくれと泣いてくれる人がいるんです。そんな人が僕のそばにいる限り、僕はどこにだって現れますよ?」
そして、私には見えてお兄さん(?)には見えないような所で、ピースしていたのだった。
そんな、ちらっと見えたいつものシゲに安心して、私は小さく笑った。
「マジでいい加減にしろ!」
お兄さん(?)が怒鳴り声を上げると、シゲは、
「そんなに嫌なら戸籍上の縁でも切んな!俺はお前みたいな奴にはならねぇ!そんだけだ!」
と、荒々しく叫んで、
「ちょ…!」
私の腕を掴んで窓から外に出て、走り出したのだった。もちろん、私たちがいたのは地下一階の教室で命になんて別状はない。むしろ、どうすればそんなにすんなりと出られるのかが不思議なくらいぬるっと出られた。
そして、その地下室の窓が見えなくなった頃、私はシゲにこう言った。
「し、シゲ!待ってよ、シゲ!」
シゲはというと、
「ごめん、もうちょっと待って」
と、いつになく真剣に言うので私は何も言い返せなかった。