叶えたい花。

 と、普段のはにかみ屋なシゲからは想像つかないくらい、豪快に笑っていた。
 少し安心した私は、これ以上何も聞かないことにした。なんとなく、その方が良いような気がしたから。

「ここの大学の裏庭、誰が世話してっか知ってっか?」

 私は、シゲに言われた大学の裏庭にある花壇を見つめた。私は、

「誰…?」

 と、聞き返してみた。シゲは、

「俺」

 と、冗談半分に言っていた。私は、

「またそういうこと言って」

 と、呆れていた。すると、シゲはこう言った。

「冗談だって。ここの花壇、お前んちのバイトがやってんだぜ?」

「え、響さんが?へぇ~」

 新しい発見にわくわくしていると

「どうだ?驚いただろ?」

 と、シゲが面白そうに私の顔を覗き込んだ。私はというと、

「ほんとね、なんで知ってんのよ」

 と、そんな面白そうにしているシゲに乗っかってみた。

「暇人だから」

「よく言うわ」
「俺さ、花粉症なんだよね」

「なう?」

 心配して少し焦った私を余所に、シゲはこう言った。

「元」
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