叶えたい花。

「なんだ」

 そうやって呆れた私に、

「心配した?」

 と、シゲは聞いてきた。私はというと、こう言い返した。

「損した」

「嬉しいねぇ」

 そう言って私の肩を抱くと、シゲは、

「付き合っちゃう?」

 と言い出した。私はというと、もちろん冗談だと思っていたからこう言った。

「ふざけないで」

 肩に置かれた手をはらうと、

「そう来なくっちゃ」

 と、シゲは何かを企んでいるような笑顔を浮かべた。

「何企んだの?」

 と、私が聞くと、

「言ったら面白くねぇだろ?」

 と、シゲは悪い顔をした。

「そりゃーね」

 と、私が返答すると、シゲはこう言ってきた。

「だから言わねー」

 私は、ため息を吐いてからこう言った。

「…、まぁいいけど」
< 45 / 59 >

この作品をシェア

pagetop