叶えたい花。

猫系堅物な後輩

 屋上で懐かしい顔付きがそこにはあった。中学校の後輩で、唯一の堅物だった、りょーくんだ。

「せっ、先輩!?」

 と、私の顔を見るなりりょーくんは、顔を赤らめてそう叫んだ。私は、

「人をお化けみたいに…」

 と、りょーくんのそんな反応に呆れていたけど、内心嬉しかったりした。
 幼なじみの陽輝がいなくて、去年の一年間は少し寂しくて心細かったからだ。りょーくんがいれば、今年は楽しくなりそうだという期待が私の中にあった。

「なっ、何でここに…っ!てゆうか、まだ屋上でぼっちメシですか!」

 りょーくんはそう言って私をよく怒る。でも、私はそんなりょーくんの行動がツボで仕方がなかった。

「別にクラスの人たちと関わる気ないし」

 私がそう言ってケロッとしていると、りょーくんは頭を悩ませ、ため息を吐くとこう言った。

「あなたって人は…。いいですか?クラスメートというのはですねぇ」

「だからぁ、もうりょーくんがいるんだから別にいいでしょって。テキトーに話し合わせてるし、浅い関係だけでいいよ」

 と、長くなりそうだったりょーくんの話をそう言って止めると、りょーくんは落ち着いた顔を耳まで真っ赤に染めたのだった。そして、

「し、しょうがないですね。今日だけですよ…!」

 と、そっぽを向いてしまった。
 こんな言い合いが、今までのお昼休みだったんだ。
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