叶えたい花。

「遅くても20時半までには来れるはずなんです」

 と、甲斐先輩に返した。陽輝は、電車で通っているため、遅くても終電の20時半までには必ず学校に来れるはずなんだ。でも、

「誰が?彼氏か?好きな男か?」

 と、甲斐先輩はさらに質問してきたのだった。私は、そんな甲斐先輩に

「ただの幼なじみです」

 と、冷静に返したのだった。

「ふーん?ただの幼なじみにぃ?8時半ねぇ~?」

 じろじろと上から下まで見る甲斐先輩に、私は

「先輩、どうかしましたか?」

 と、聞いてみたのだった。すると、

「ただの幼なじみにそこまでする?ふつー。だってあと二時間はあるぜ?」

 と、甲斐先輩は腕時計を見ながらにやにやして言ってきた。私は、先輩の方に向き直してはっきりこう言った。

「します」

 甲斐先輩は、一瞬驚いたようにも見えたけど

「しない」

 と、腕を組んで私に言ってきた。話を早く終わらせたかった私は、

「私はしたいんです」

 と、駅の方を向いた。

「そりゃあ?どれだけ遅れたとしても、8時半にはここの駅に着くもんなぁ?でもお前さ…」
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