We know
『~♪』
ひどく、悲しい声だった。
その歌を聴いて、また泣き出す瑞希の両親。
涙が止まらない亮二と奏多。
そして、必死に笑顔で歌う幸望。
(―――――ああ、そうか。)
そう、だったのか。
幸望は瑞希に言われたから……
"俺の前では笑ってて"って、言われたから。
だから、泣かなかったんだ。
『…馬鹿だな、幸望』
俺の言葉で歌はとまり、幸望の頬には一筋の雫が流れた。
そしてそれを合図に、幸望は声をあげて泣いた。