We know











あの日…瑞希に屋上に連れていかれた日。


屋上へと続く白い階段をのぼっていた時から、あいつの声は聞こえていた。


透き通るような、人の心をつかんで離さないその声。


俺は、一瞬にしてあいつの声につかまれた。


瑞希がそっとドアを開けると、空に向かって歌う、あいつの姿があった。


笑顔で、誰かに語り掛けるように歌うあいつは本当に楽しそうで。


でも、時々悲しそうな表情をするあいつ。


なぜ、屋上で歌っているのか。


なぜ、悲しい表情をするのか。


気づけばあいつのことで頭がいっぱいで。










  
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