詩【ウタ】
掌【テノヒラ】
悲しみが謳う空

この腕を伸ばせていたら あの時
涙は流せただろうか
今はもう
願うことすら叶わない

ただ悲しみが愛しくて
ただ喜びが憎かった



しがらみが謳う空

この想いを抱き続けていたなら いつか
この掌はあの空にも届いただろうか
今はもう
この掌は何も掴めない

ただ遠くて
ただ近かった



孤独が謳う空

もし私がこの世界にまだ居たなら
誰かを救うことは出来ただろうか
この掌は
私と誰かを繋いでくれただろうか
今はもう
この瞼にさえ映らない
もう居ないあの空へ
もう居ない私自身へ

ありがとう
さようなら

ただ届かなくて
ただ伝えたかった


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