空のギター
──あれからニ週間が経った。学校から帰ってきた雪那は元気よく玄関のドアを開けた。
「ただいまー!」
「お帰り雪那。あんた宛に手紙が来てるわよ。」
笑顔で出迎えてくれたのは母親だった。彼女は雪那に、真っ白な一つの封筒を差し出す。雪那は「ありがとう」と言ってそれを受け取った。
父親は仕事で、まだ帰宅していないらしい。雪那は自分の部屋への階段を上がりながら、封筒に目を通す。“Star Sign Group”の文字を見つけて、とうとう来たか……と思った。
ガチャリ、と部屋のドアを開ける。通学鞄を置いて床に座り、意を決して封を切る。そして中にある紙を開き、視線を走らせる。
──真っ先に飛び込んできたのは、太字で強調された“合格”の二文字だった。
「や……やったー!!」
雪那はガッツポーズしたい気持ちを押さえ、すぐに携帯電話を手に取った。連絡先は勿論、共にオーディションを受けた“あの人”である。彼の結果が非常に気になる。
彼の番号をダイヤルし、雪那は電話を耳に当てる。無機質な機械音が続いた後、慣れ親しんだぶっきらぼうな声が鼓膜を震わせて彼女に届いた。
「ただいまー!」
「お帰り雪那。あんた宛に手紙が来てるわよ。」
笑顔で出迎えてくれたのは母親だった。彼女は雪那に、真っ白な一つの封筒を差し出す。雪那は「ありがとう」と言ってそれを受け取った。
父親は仕事で、まだ帰宅していないらしい。雪那は自分の部屋への階段を上がりながら、封筒に目を通す。“Star Sign Group”の文字を見つけて、とうとう来たか……と思った。
ガチャリ、と部屋のドアを開ける。通学鞄を置いて床に座り、意を決して封を切る。そして中にある紙を開き、視線を走らせる。
──真っ先に飛び込んできたのは、太字で強調された“合格”の二文字だった。
「や……やったー!!」
雪那はガッツポーズしたい気持ちを押さえ、すぐに携帯電話を手に取った。連絡先は勿論、共にオーディションを受けた“あの人”である。彼の結果が非常に気になる。
彼の番号をダイヤルし、雪那は電話を耳に当てる。無機質な機械音が続いた後、慣れ親しんだぶっきらぼうな声が鼓膜を震わせて彼女に届いた。