空のギター
路上ライブをする二人を見つける一番の目印は、何と言っても“ホワイトを基調としたミルキーブルーのミニコンポ”だった。MDに彼女達の演奏──ギターとピアノの音源を入れ、コンポを片手に街へ繰り出す。客との触れ合いは大切にするが、ライブの日時を告知するビラは全く配らない。“また会えたら縁があったということで”というのが、二人の口癖だった。偶然会えた時の感動を大切にしたかったのだろう。
「皆さんこんにちはー!“snow crystals”の雪那でーす!!見つけてくれてありがとう!!」
「沙雪です。今日出会えた皆さんとは何かのご縁があったということで、まずは一曲歌いましょうか!」
数人の人──若いカップルやアキバ系の青年、子連れのお母さんが、彼女達の今日のお客さんだった。彼らはパチパチと拍手をし、皆にこやかに微笑んでいる。雪那はコンポの電源を入れてMDをセットすると、ランダム再生機能に設定した。客も自分達も何が出るか分からないという、ワクワクさせる演出である。
「イントロで何の曲か当てた人は、飴一個プレゼントでーす!よーく耳を凝らして聴いてね!!」
雪那の言葉で、ドッと笑いが起こった。
「皆さんこんにちはー!“snow crystals”の雪那でーす!!見つけてくれてありがとう!!」
「沙雪です。今日出会えた皆さんとは何かのご縁があったということで、まずは一曲歌いましょうか!」
数人の人──若いカップルやアキバ系の青年、子連れのお母さんが、彼女達の今日のお客さんだった。彼らはパチパチと拍手をし、皆にこやかに微笑んでいる。雪那はコンポの電源を入れてMDをセットすると、ランダム再生機能に設定した。客も自分達も何が出るか分からないという、ワクワクさせる演出である。
「イントロで何の曲か当てた人は、飴一個プレゼントでーす!よーく耳を凝らして聴いてね!!」
雪那の言葉で、ドッと笑いが起こった。