空のギター
ジャラーン……とギターのストローク音が響く。客達はそれぞれが何の曲だろうと考えており、その答えを知っている雪那と沙雪は、ニコニコしながら彼らの様子を見つめていた。
やがてギターとピアノが奏でる力強いハーモニーが、その場に居た全員を包む。二つが叫んでいるかのようなイントロに、ピンときた客の一人が大きな声を上げた。
「……分かった!『Rain』だ!!」
「大正解!瞳さんやるねぇ?」
「当たり前よ雪那ちゃん!この中じゃ、私が一番ファン歴が長いんだから。」
得意げに言った彼女は、二人の路上ライブにいつも来てくれる瞳という女性だ。彼女の傍らにあるベビーカーの中では、1歳くらいの女の子がすやすやと眠っている。彼女の子供だ。
他のファン達から「さっすが瞳さん!」という声が上がり、瞳は照れ臭そうに「まぁね」と返す。「育児があって暫く二人から離れてたけど、久し振りのライブ、やっぱり良いわねぇー!」と壮快に言う彼女に、雪那と沙雪は思わず笑顔になった。
間もなくAメロに入るという時。頃合いを見計らい、雪那が叫ぶ。
「それじゃあ聞いて下さい!snow crystalsで、『Rain』!!」
やがてギターとピアノが奏でる力強いハーモニーが、その場に居た全員を包む。二つが叫んでいるかのようなイントロに、ピンときた客の一人が大きな声を上げた。
「……分かった!『Rain』だ!!」
「大正解!瞳さんやるねぇ?」
「当たり前よ雪那ちゃん!この中じゃ、私が一番ファン歴が長いんだから。」
得意げに言った彼女は、二人の路上ライブにいつも来てくれる瞳という女性だ。彼女の傍らにあるベビーカーの中では、1歳くらいの女の子がすやすやと眠っている。彼女の子供だ。
他のファン達から「さっすが瞳さん!」という声が上がり、瞳は照れ臭そうに「まぁね」と返す。「育児があって暫く二人から離れてたけど、久し振りのライブ、やっぱり良いわねぇー!」と壮快に言う彼女に、雪那と沙雪は思わず笑顔になった。
間もなくAメロに入るという時。頃合いを見計らい、雪那が叫ぶ。
「それじゃあ聞いて下さい!snow crystalsで、『Rain』!!」