空のギター
「……何?」
「その……合格、おめでとう。」
いつも自分に突っかかってくる頼星らしくない言葉に、妙におかしくなる。雪那は必死に笑いを堪えた。そしてお腹の痛みが治まると、祝福の言葉を返す。
「……うん。頼星もおめでとう!これからは部活も仕事も一緒に頑張ろうね!!」
雪那のその言葉に、頼星は迷うことなく答える。
「おう、当たり前じゃん。ていうか、部活に穴開けたらリーダーに怒られるんじゃねぇの?」
「いやいや、ウチのリーダーは大丈夫でしょ。『お前ら抜け駆けしやがって!!』とは言いそうだけど、そういうのは全部冗談だからね。」
「……メンバー愛だな。」
「うん、間違いなくね。」
二人は同時にクスクス笑うと、部活の仲間達に思いを馳せた。特に雪那は、沙雪が亡くなって以来ずっと部活に参加していない。先日のオーディションにて審査員の前で演奏したのも、最後にギターに触ってから約一年半が経過していた。
「そろそろ顔出せよ。」
「うん。じゃあ、また学校でね!」
「おう、また明日。」
ピッ、という音で一人きりの空間に戻る。だが雪那は、嬉しそうな面持ちで階下へと駆けていった。
「その……合格、おめでとう。」
いつも自分に突っかかってくる頼星らしくない言葉に、妙におかしくなる。雪那は必死に笑いを堪えた。そしてお腹の痛みが治まると、祝福の言葉を返す。
「……うん。頼星もおめでとう!これからは部活も仕事も一緒に頑張ろうね!!」
雪那のその言葉に、頼星は迷うことなく答える。
「おう、当たり前じゃん。ていうか、部活に穴開けたらリーダーに怒られるんじゃねぇの?」
「いやいや、ウチのリーダーは大丈夫でしょ。『お前ら抜け駆けしやがって!!』とは言いそうだけど、そういうのは全部冗談だからね。」
「……メンバー愛だな。」
「うん、間違いなくね。」
二人は同時にクスクス笑うと、部活の仲間達に思いを馳せた。特に雪那は、沙雪が亡くなって以来ずっと部活に参加していない。先日のオーディションにて審査員の前で演奏したのも、最後にギターに触ってから約一年半が経過していた。
「そろそろ顔出せよ。」
「うん。じゃあ、また学校でね!」
「おう、また明日。」
ピッ、という音で一人きりの空間に戻る。だが雪那は、嬉しそうな面持ちで階下へと駆けていった。