空のギター
冬の歌なのに何処か温かいラブバラードは、『fine snow**』──粉雪という曲だ。歌いきった二人がベビーカーに目をやれば、瞳の愛娘がすやすやと寝息を立てている。その愛らしい寝顔を他の客達も目の当たりにし、みんなが自然と笑顔になっていた。演奏が止み、彼女を起こさないようにという控えめな拍手が、雪那と沙雪に贈られた。
「雪那ちゃんってもっと勇ましい歌詞書く人かと思ってたよー!」
「俺も俺も!案外ロマンチストだね?」
20代のカップルが言えば、「いやぁ、お恥ずかしいです……」とはにかむ雪那。もしかしたら、この歌をあの人の前で歌う日が来るかもしれない。そう思うと、少しだけ照れ臭さが増す。
アキバ系の青年が「『はぴどり』のエンディング曲にぴったりだよ!主人公のありすちゃん、こんなイメージなんだ!!」と叫ぶ。謎の言葉は、どうやら彼のお気に入りのアニメのタイトルらしい。可愛らしいフィギュアを見せられた雪那は「ほんとですか!?ありがとうございます!」と、とても嬉しそうに返した。
雪那はふと、瞳に視線を移す。彼女は優しく、しかし切なげに微笑んでいる。その表情が妙に気にかかり、勇気を出して尋ねてみた。
「雪那ちゃんってもっと勇ましい歌詞書く人かと思ってたよー!」
「俺も俺も!案外ロマンチストだね?」
20代のカップルが言えば、「いやぁ、お恥ずかしいです……」とはにかむ雪那。もしかしたら、この歌をあの人の前で歌う日が来るかもしれない。そう思うと、少しだけ照れ臭さが増す。
アキバ系の青年が「『はぴどり』のエンディング曲にぴったりだよ!主人公のありすちゃん、こんなイメージなんだ!!」と叫ぶ。謎の言葉は、どうやら彼のお気に入りのアニメのタイトルらしい。可愛らしいフィギュアを見せられた雪那は「ほんとですか!?ありがとうございます!」と、とても嬉しそうに返した。
雪那はふと、瞳に視線を移す。彼女は優しく、しかし切なげに微笑んでいる。その表情が妙に気にかかり、勇気を出して尋ねてみた。