空のギター
頼星は、実直なその視線を高藤へ向ける。口にしなくても、その目の強さから彼の思いが伝わってくるようだ。暫く火花を散らした後、高藤の醸し出すオーラに負けた頼星から口を開いた。
「……社長。雪那は、辞めなきゃいけないんですか?」
高藤は彼に微笑すると、みんなを見回してから雪那に目を向けた。苛立っているようには見えないが、ルール違反をした自分に多少の怒りは持っている筈だ。そう考えたのか、雪那は伏せた目をなかなか彼と合わせようとしない。
怯えながら、ゆっくりと顔を上げてみる。そこには予想すら出来なかった、穏やかな笑顔があった。
「……私は怒っている訳ではないんだよ。ただ、君の気持ちが知りたいだけだ。
まず雪那から、ここに居る、私を含めたみんなに説明して欲しい。話はそれからだ。雪那、出来るな?」
高藤に言われ、雪那は深く頷いた。本当のことを話せば、メンバーや硝子・社長からの信頼も失い、大事なファンも居なくなってしまうかもしれない。それは沙雪が消えたことのように、とても怖い。
だが、もう隠し事はしたくない。本当の自分は、ここに居るんだ。決心した雪那の目が、室内の六人を映す。
「……社長。雪那は、辞めなきゃいけないんですか?」
高藤は彼に微笑すると、みんなを見回してから雪那に目を向けた。苛立っているようには見えないが、ルール違反をした自分に多少の怒りは持っている筈だ。そう考えたのか、雪那は伏せた目をなかなか彼と合わせようとしない。
怯えながら、ゆっくりと顔を上げてみる。そこには予想すら出来なかった、穏やかな笑顔があった。
「……私は怒っている訳ではないんだよ。ただ、君の気持ちが知りたいだけだ。
まず雪那から、ここに居る、私を含めたみんなに説明して欲しい。話はそれからだ。雪那、出来るな?」
高藤に言われ、雪那は深く頷いた。本当のことを話せば、メンバーや硝子・社長からの信頼も失い、大事なファンも居なくなってしまうかもしれない。それは沙雪が消えたことのように、とても怖い。
だが、もう隠し事はしたくない。本当の自分は、ここに居るんだ。決心した雪那の目が、室内の六人を映す。