空のギター
 アップテンポな『unrequited love;』のインスト。演奏をやめた四人が楽器から離れ、Setsunaと織春へ駆け寄る。やがて六人での、迫力あるダンスが始まった。

 SetsunaとKazamiの憂いを込めた歌声が、失恋ソングをより心に響かせる。詞が歌われている間は真剣な顔をしていた六人だが、ひと度歌が終われば、曲に合わせて笑顔で楽しく踊り出した。織春はQuintetのダンスを、サビ部分だけとはいっても完璧に覚えていた。素晴らしいコラボレーションに、会場は大きな拍手を贈る。キメポーズもバッチリと決まり、満足げな若人達。硝子やスタッフ達も、思わず拍手を贈呈していた。



「ありがとうございましたー!!」



 繋いだ手を高く掲げ、Quintetと織春は深く礼をする。まるで初めから六人グループであるかのように、全く違和感がない。Setsunaが「織春ちゃんありがとう!」と笑って言えば、織春も微笑んで「こちらこそ、ありがとうございました!とっても楽しかったです!!」と返す。そして、観客に向かって叫んだ。



「皆さん、ありがとうございました!機会があればまたお会いしましょう!!今日は本当にありがとうございましたー!!」
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