空のギター
「みんな、何だって?」
「色々あったよ。『歌声が好きです』とか『もっとカメラ見て下さい』とか……」
でもね、と呟いた雪那が、頼星にゆっくりと視線を向かわせる。頼星は僅かに揺れている目前の二つの瞳を見つめながら、急かすことなく「うん。それで?」と相槌を打ってやる。“阿吽の呼吸”って、こういうことかもしれないな。雪那は密かにそう思っていた。
「でも、ね……一番嬉しかったのは、どのファンレターにも必ず最後に、『これからもお仕事頑張って下さい』、『体に気を付けてね』、『応援してます』のどれかが書いてあったことなんだ。」
「うん、俺のにも書いてあった。」
「でしょ?それ見てたら、何か……何か、さ。凄くあったかいなぁって思った!音楽続けてて、本当に良かった!!」
口の両端を上げて嬉しそうに笑う雪那を見て、頼星が安堵の息をつく。「そっか」と呟いた彼は、さっきから滅多にしない柔らかい表情を雪那に見せている。
「……じゃあ、もう大丈夫だな。耀人達に連絡するから。」
「えっ、何のこと?」
頼星の意図が掴めない雪那は、間抜けな顔をして首を傾げている。それを鼻で笑い、頼星は続けた。
「色々あったよ。『歌声が好きです』とか『もっとカメラ見て下さい』とか……」
でもね、と呟いた雪那が、頼星にゆっくりと視線を向かわせる。頼星は僅かに揺れている目前の二つの瞳を見つめながら、急かすことなく「うん。それで?」と相槌を打ってやる。“阿吽の呼吸”って、こういうことかもしれないな。雪那は密かにそう思っていた。
「でも、ね……一番嬉しかったのは、どのファンレターにも必ず最後に、『これからもお仕事頑張って下さい』、『体に気を付けてね』、『応援してます』のどれかが書いてあったことなんだ。」
「うん、俺のにも書いてあった。」
「でしょ?それ見てたら、何か……何か、さ。凄くあったかいなぁって思った!音楽続けてて、本当に良かった!!」
口の両端を上げて嬉しそうに笑う雪那を見て、頼星が安堵の息をつく。「そっか」と呟いた彼は、さっきから滅多にしない柔らかい表情を雪那に見せている。
「……じゃあ、もう大丈夫だな。耀人達に連絡するから。」
「えっ、何のこと?」
頼星の意図が掴めない雪那は、間抜けな顔をして首を傾げている。それを鼻で笑い、頼星は続けた。