空のギター
五つの願い
Quintetが結成されて一ヶ月が経ったある日。雪那達五人は、S.S.G内にあるレッスン室でダンスレッスンを行っていた。初めてのレッスンの日は戸惑うばかりだった五人も、ほぼ毎日ホテルやアパートとS.S.Gを行き来する生活にすっかり慣れたようだ。
歌うのも演奏するのも踊るのも好きな彼らは、辛い稽古や押し寄せる孤独感にも耐えてきた。家やホテルに帰れば見知らぬ東京という地で一人きり。だが、レッスンに来れば“仲間”に会える。学校に行く時間が減ってきた今、五人で居る時間がとても好きだった。
「ねぇ、みんなってさ……何でこの世界に入ろうと思ったの?」
「そりゃあ、音楽が好きだからだろ!な、みんな?」
光夜の不意の質問。風巳が他の三人を見て言うと、彼らは揃って「勿論!!」と答える。
「……だよな。」
何か言いたげな表情の光夜にみんなが声をかけようとするが、何と言えば良いのか迷っているらしい。口を開くが言葉は出てこなかった。光夜の表情は“何か”を抱えている人特有の、普段は見せない憂いを含んだものだ。それを見るとこちらまで辛くなってくる。カタツムリの歩行のように、時が流れた。
歌うのも演奏するのも踊るのも好きな彼らは、辛い稽古や押し寄せる孤独感にも耐えてきた。家やホテルに帰れば見知らぬ東京という地で一人きり。だが、レッスンに来れば“仲間”に会える。学校に行く時間が減ってきた今、五人で居る時間がとても好きだった。
「ねぇ、みんなってさ……何でこの世界に入ろうと思ったの?」
「そりゃあ、音楽が好きだからだろ!な、みんな?」
光夜の不意の質問。風巳が他の三人を見て言うと、彼らは揃って「勿論!!」と答える。
「……だよな。」
何か言いたげな表情の光夜にみんなが声をかけようとするが、何と言えば良いのか迷っているらしい。口を開くが言葉は出てこなかった。光夜の表情は“何か”を抱えている人特有の、普段は見せない憂いを含んだものだ。それを見るとこちらまで辛くなってくる。カタツムリの歩行のように、時が流れた。