空のギター

「今日のステージは久々の演奏スタイルということですから、バンドもこなす皆さんにはぴったりの衣装ですね！」



　司会者が五人を誉めれば、会場からも「かっこいい!!」との声。五人はすかさず「ありがとー!!」と言い、観客に手を振った。自分達も気に入っている衣装を誉められて、とても嬉しかったのだろう。彼らの笑顔がそれを物語っている。

　手先が器用だというKazamiは「いつかデザインの仕事もしてみたいですねー」と言い、他の四人が先日彼にＴシャツアートをしてもらったという話を持ち出した。ファン達が「私のもやってー！」と叫ぶと、Kazamiは「機会があれば是非！」と好意的に答えていた。



「……皆さんの素敵衣装についてはこれくらいにして、そろそろスタンバイをお願いしましょう！楽器の準備が出来たようです。」



　会場がにわかに騒がしくなる。五人は「よろしくお願いしまーす!!」と返し、ステージへ移動する。舞台袖のスタッフの合図を受け、司会の女性がマイクを通して告げた。



「それでは歌って頂きましょう！映画の主題歌にもなっている話題の一曲、Quintetで、１月20日に発売された『光』です。皆さん、よろしくお願いします！」