空のギター
 2月14日──Setsunaが出演する映画、『青い月の夜』が公開された。

 ストーリーは、Setsuna演じる中学3年生の少年、古屋亮人(ふるや まこと)が夜の街でギターを弾くシーンから始まる。生まれつき頭が良く、有名進学校への進学も決まっている亮人だが、まだ自分の将来を見い出せずに居た。そんな時、路上ライブをしている亮人の元に現れた、同じクラスの千葉瑶子(ちば ようこ)の一言で、亮人に光が差す……というものだ。

 Quintetの五人は、公開の皮切りとなった映画館でのイベントに出演することになっていた。映画が終わって会場の照明がついた途端、ステージ上にメインの出演達とQuintetが姿を現す。観客は勿論大歓声を上げた。



「皆さーん!どうでしたかー?」



 Setsunaが尋ねると、観客は一層歓声を強める。どうやらみんな満足してくれたらしい。出演者一同は微笑み合って、喜びを顔に出していた。

 その内、イベントの司会を務めてくれるアナウンサーの女性が、出演者達の紹介を始める。一人一人がきちんとお辞儀をし、温かい拍手を受けた。SetsunaはQuintetの時と合わせて二回礼をすることになったが、どちらも深々とした礼儀正しいものだった。
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