空のギター

「……そろそろ準備が整ったみたいですね。今日は何と、Hiroさんのご弟妹(きょうだい)と、Raiseiさんのお兄さんが会場に来て下さってるみたいです！お二人共、ご兄弟に向かって何かメッセージは？」



　再び、にわかに騒がしくなる会場内。HiroとRaiseiは顔を見合わせると、クスリと笑い、手元のマイクを通して叫んだ。



「亜美ー！光(ひかる)ー！兄ちゃん頑張るから、ちゃんと見とけよーっ!!」

「家帰ってからネタにすんのなしだからなー！
……あ、ちなみにウチの兄は銀河っていいます。」



　付け足すように言ったRaiseiを、Hiroの弟妹と共に関係者席へ座る銀河は「一週間はからかってやるよ！」とバッサリ。Raiseiの意地悪体質は、どうやら外見も彼そっくりの兄譲りらしい。彼らは、兄弟二人でしっかりと笑いを取っていた。



「ありがとうございます！それでは皆さん、スタンバイお願いします！」

「はい！よろしくお願いしまーす!!」



　五人がゲスト席から立ち上がると、ファンの歓声が益々大きくなる。五人の姿が見えなくなってから、司会の女性が話し始めた。