空のギター

「みんな、遂に初仕事だな！三ヶ月待った甲斐があったじゃないか!!」



　スタッフの一人が温かい言葉をかけてくれる。五人は満面の笑みで「はい!!」と答えた。



「ほんと良かったわねぇ！私もずっと楽しみにしてたのよ。」

「私もよ！やっとみんなの夢が叶うのねぇ……」



　スタイリスト達も五人のデビューを祝ってくれる。車内は祝福と喜びで溢れ、五人は「ありがとうございます!!」と嬉しそうに笑った。それを見た硝子も、とても嬉しそうだ。



「五人共、部活やコンクールで舞台慣れしてるみたいだし、全く心配ないですから！」



　誇らしげな硝子の言葉に、一人のスタッフから「それは心強いな！益々楽しみだよ」という声が飛んだ。スタッフ達と談笑する中、車は目的地へと近付いていく。そして遂に、イベント会場であるCDショップに到着した。

　車を降りた五人は運転手にお礼を言い、裏口から中に入った。会場を提供してくれたCDショップの人達に挨拶をすると、温かく迎えられた五人は小さな個室へと案内される。硝子は最終確認のために一旦離れ、数人のスタッフだけが五人の控え室に残った。