空のギター
「さて、Quintetの皆さんにはこれから3時までの二時間、僕のお相手をして頂きまして、その間に曲紹介やファンの方々からの質問等を予定しております!
司会はDJヤマです!リスナーの皆さん、どうぞ最後までお付き合い下さい!!
それでは、まずは自己紹介がてらこの曲をお届けしましょう。Kouya君、よろしくお願いします!」

「はい。では僕達Quintetのデビュー曲で、『桜舞う時』です。どうぞ!」



 Kouyaの紹介で曲が流れる。ラジオ初出演による最初の五分のプレッシャーを無事越えたメンバー達は、小さく溜め息をついていた。DJがそんな五人に「緊張した?」と微かに笑って尋ねる。彼らは揃って「はい……」と返す。DJはニコリと口角を上げ、「何はともあれ楽しもう!“素の自分”で良いんだからね!!」と言ってくれた。

 肩の力がスッと抜けていく。その言葉は、五人の気持ちをとても楽にした。間もなく曲がフェードアウトしていき、再びDJが声を張り上げて喋り出す。



「只今お送りした曲は、Quintetで『桜舞う時』でした。今の卒業シーズンにピッタリの曲ですよね!」



 DJはその後Quintet結成の経緯を語り、五人に質問を始めた。
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