空のギター

初ファン獲得!?

 収録日当日。リハーサルも無事終わり、出演者達は談笑中。Quintetの五人も、同様にして舞台袖で待機している。と、その時。五人の前を、偶然織春が通りかかった。



「あ、あの!今日はよろしくお願いします!!」



 Kouyaが声をかけると、織春は立ち止まり彼の方を向く。視線が交わり、Kouyaは再び口を開いた。



「さっきのリハ見たんですけど、凄く良かったです!」

「織春さんって歌上手いんですね!存在感があるし!!」

「ダンスも上手くてびっくりしました!俺、前にダンスを拝見したことがあるんですけど……その時よりもっと良かったですよ!」

「何つーか……感動しました。」



 Kouyaの後に他のメンバーも続く。嬉しそうに言うHiro、尊敬の眼差しを向けるKazamiとRaiseiを横目に、織春はSetsunaと目を合わせる。彼女の視線に気付いたSetsunaは、慌てて口を開いた。



「あ、えっと……さっきのリハ見て、早く本番見たくなりました!今日はよろしくお願いします!!」



 片手を差し出そうとしたその時、射抜くような鋭い視線を受ける。そしてSetsunaは、自分の耳を疑った。
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