空のギター
番組開始の僅か10分前、事件は起こった。「大変だ!!織春の衣装が破れてる!!」という衣装係の声で、本番前の舞台裏が騒然となる。
「え……私の衣装が、ですか?」
落ち着いて見られる織春だが、まだ13歳だ。動揺しているのが手に取るように分かる。顔は少し引きつり、不安の色が窺えた。
「おかしいな……リハの時に破れたってことはないだろ?」
「おい!!ちゃんとチェックしたのか!?」
「リハ後も破れてませんでした!間違いありません!!」
騒がしくなるスタジオ裏。あるスタッフの「とりあえず代わりの衣装の準備だ!みんな急いで手配してくれ!!」という声で、スタイリスト達が漸く代わりの衣装探しに動き始める。
──と、その時。スタジオの奥から、数人の人影がスッと現れた。
「ちょっとー、その子自分で衣装破いたんじゃないの?」
「皆さんを困らせようとして、わざとやったんじゃないですかぁ?」
見ると、隣のスタジオでトーク番組の収録を終えたタレント達だった。彼女達は織春を、責め立てるような鋭い目で睨み付けている。織春は驚いた顔をして、彼女達を見つめ返した。
「え……私の衣装が、ですか?」
落ち着いて見られる織春だが、まだ13歳だ。動揺しているのが手に取るように分かる。顔は少し引きつり、不安の色が窺えた。
「おかしいな……リハの時に破れたってことはないだろ?」
「おい!!ちゃんとチェックしたのか!?」
「リハ後も破れてませんでした!間違いありません!!」
騒がしくなるスタジオ裏。あるスタッフの「とりあえず代わりの衣装の準備だ!みんな急いで手配してくれ!!」という声で、スタイリスト達が漸く代わりの衣装探しに動き始める。
──と、その時。スタジオの奥から、数人の人影がスッと現れた。
「ちょっとー、その子自分で衣装破いたんじゃないの?」
「皆さんを困らせようとして、わざとやったんじゃないですかぁ?」
見ると、隣のスタジオでトーク番組の収録を終えたタレント達だった。彼女達は織春を、責め立てるような鋭い目で睨み付けている。織春は驚いた顔をして、彼女達を見つめ返した。