ありがとうを君に
1 出逢い
「いらっしゃいませぇ~!」
あっ、いるいる、今日もいる!!
艶のある茶髪に、黒縁のきれいなメガネ。
一重だけど輝きのある美しい瞳、そしてなんといっても、美しい笑顔!!「ありがとうございましたぁ〜」と微笑む時に見える、あの、これ以上ないきれいな歯並び!!
私は視線を彼からなるべく外さないようにして、行きつけのパン屋"ドドール"の店内を歩き回る。
お目当ては、「藤堂」というプレートを胸につけた大好きな彼、といいたいところだが、さすがに一人の男の子を見たいがために、わざわざ休日に自転車をこぐほど私は暇ではない。
私がここに来る目的は、ちえみおばさん、つまり、母の妹に会うことなのだ。
ちえみおばさんは、ドドールの経営者で、パン焼き名人。それに、堅実で真面目な母とはちがい、型にはまらずいつでも楽しみたいタイプで、周りを元気にさせるパワーを持った人。だから私は、中学生の頃から、高校に入った今でも、暇さえあればちえみおばさんに会いにいくのだ。
といっても、ただたわいのない話をするとかではなく、重要な任務を背負ってここまで来ているのだ。
あっ、いるいる、今日もいる!!
艶のある茶髪に、黒縁のきれいなメガネ。
一重だけど輝きのある美しい瞳、そしてなんといっても、美しい笑顔!!「ありがとうございましたぁ〜」と微笑む時に見える、あの、これ以上ないきれいな歯並び!!
私は視線を彼からなるべく外さないようにして、行きつけのパン屋"ドドール"の店内を歩き回る。
お目当ては、「藤堂」というプレートを胸につけた大好きな彼、といいたいところだが、さすがに一人の男の子を見たいがために、わざわざ休日に自転車をこぐほど私は暇ではない。
私がここに来る目的は、ちえみおばさん、つまり、母の妹に会うことなのだ。
ちえみおばさんは、ドドールの経営者で、パン焼き名人。それに、堅実で真面目な母とはちがい、型にはまらずいつでも楽しみたいタイプで、周りを元気にさせるパワーを持った人。だから私は、中学生の頃から、高校に入った今でも、暇さえあればちえみおばさんに会いにいくのだ。
といっても、ただたわいのない話をするとかではなく、重要な任務を背負ってここまで来ているのだ。