大好きな君の隣で
まあさ...別に恋愛に興味がないとかそういうのじゃないんだけど...
でも、自分の中では本当に恋愛なんてそんなことしなくても生きていけると思う。
だから、しないだけ。いや、できないのか...。
初恋がまだなんて高校生にとってありえないよね絶対...。

「あぁぁ!!奏良!!ほら、みてみて!!!」
「ん??」
「例の転校生!!!!!」
鼻がすらっとして、目は二重でぱっちりしてて...瞳が輝いている。
なんだろな...これがイケメンというものなの...かな?
「きゃああ。めちゃくちゃかっこいい~~~~!!!」
「桜、騒ぎすぎ!!恥ずかしいから!!」
私は、いうことを聞かない桜を後ろから引っ張って無理やり校内に入る。
「桜ったら...よくあんな人がたくさんいるところで大きい声を出せるよね...ある意味尊敬しちゃう」
「えっへん!!で~しょ?」
「いや...そんなに褒めてるつもりはないんだけど...」
「ええっ~ひっど~い」
「ところで、奏良。二時間目から普通の授業なんだよね??」
「え、うん。そうだけど...」
「二時間目ってなんだっけ??」
「えっと...。数学だね。」
「ええぇ。まじかよ~...宿題してないんだけどっっ!!」
「嘘でしょ...。桜、本気で勉強しないとやばいんじゃない?こないだの数学のテスト15点だったんでしょ?」
「そうだけど...奏良みたいに頭よくないし」
「私は...別に...」
「えぇ、うっそ!!こないだの数学のテスト98点とかいってたでしょうが!!」
「まぁ...そうですけど...」
数学が98点だったとしても、別に頭がいいと確定したわけではないでしょうが!!
でも...桜よりは頭いいはず...きっと...

「あ、桜。私、トイレいってくるから先に教室いってて。あ、かばん持ってってくれる??」
「あ~うんいいよ~」
「ありがと。」

トイレには先生にばれない程度の化粧をちょこちょこっとする女子軍団がいた。なんだろう...私からみたら、すごくまるわかりなのに...。
この厚化粧で先生にばれないのが不思議なくらい。
先生はほんとは気づいてるけど、めんどくさいから注意してないとか...なのかな?
そんなことを考えながら、トイレをすませ、教室に向かって歩いていると。
例の転校生が困った顔をしてうろうろしていたので...
思わず声をかけてしまった...

「あの...どうかしましたか??」
男子って苦手なほうなんだけど...こう困ってるひとがいると...放っておけない...
「え?あ、あの、職員...室ってどこですか??」
「あ...じゃあ、案内しますね。ついてきてください。」
「あ...ありがとうございます。」
声も...イケメンだな...
「あ...あの」
「はい?」
「名前は...?」
「あ...えと...私は、枢木奏良です。ちなみに、花スクエアの3組。宜しくね」
「あ、お、俺...辻村 慎(つじむら しん)まだクラスは知らされてないんだ...」
「そっか...同じクラスだといいね...!!あ、職員室はここ。じゃあ...ね!」
と、私は辻村くんに背中を向けて歩き出そうと足を踏み出したその瞬間。
「?!」
辻村君に思いっきり腕をつかまれる
「な...何?!」
「あ...ごめん。ありがと...それだけ言いたかった。」
「あ...うん。」
び、びっくりしたぁ...。
てか...意外と力強いな...
腕ちょっと痛かった...



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