大好きな君の隣で
「ちょっとちょっと。トイレにしては遅かったじゃない~~。何してたの??」
「ごめんね、桜~。トイレの帰りに例の転校生が迷ってたみたいだったから、職員室の場所を教えてあげてた~」
「えええええええ!!いいなぁ~私も教えたかった~~!!」
「なんじゃそりゃ(笑)」

先生が教室のドアを開けて教室に入ってくる
「ホームルームはじめるぞ~」
みんなやる気がなさそうに席をつく。
私も、やる気のない顔で席につく。
「え~っと~、この学年に転校生が来た。クラスは、一組らしい。違うクラスでも、仲良くしてあげてな。」
クラスがざわめきだす。
ところどころの会話から「私、朝、校門でみた~」、「イケメンだよね~」などという声が聞こえてくる。
確かにイケメンだった。きっとこれからこの学校のアイドルになるんじゃ...そう思うとなんだか笑えた。

始業式はなんだか、騒がしかった。
皆、クラスのみんなと会うのが久しぶりで盛り上がっているのか、それともあの転校生のことで盛り上がっているのかは...わからないけど、
そういえば、さっきから、あの転校生の顔が見えない。
どこにいるんだろう??
身長が高かったから、一番後ろとかにいるのかなと思って、始業式終わりに隣のクラスの列の一番最後の列をみても、辻村君はいなかった。
なんでだろう...?

二時間目は数学。
桜は数学がまだ始まってもないのに、顔が死んでいる。
「ちょっと~桜~大丈夫??元気だしなよ~。三時間目は桜が大好きな体育なんだよ~?」
「ええ!!それまじで!!めっちゃうれしいんだけど~!!!」
「よかったね~...」
桜って勉強とは違って運動能力はもう周りの子より全然上!!
陸上部の私でさえ追いつけない運動能力を持っている。
運動能力のほうにしてはすごく尊敬している。

数学は思った以上にだるかった!!
始業式のあとに数学は思った以上にだるい!!
私がだるいんだから桜は...
ちらっと桜の席を見ると桜は教科書を開いて頭にのせて爆睡していた!!
先生は見て見ぬふり。というかあきれていた。
私も寝れるものなら寝たいよ...

数学が終わり、私は桜を起こしに行く。
「さーーくーーーらーーー!!」
「え...えぇぇぇ?!」
「もう、爆睡状態やったよ??」
「ええええ!!やっば~...大事な数学が...」
「あはは...体育では走りながら寝たりするなよ~(笑)」
「しないわい!!!!」
「ならいいけど~(笑)」

更衣室に向かう。
更衣室は女子でいっぱい。
人ごみはようので、そそくさと着替えて桜と更衣室をでる。

「今日の体育はダンスらしいよ~~!!きれっきれに踊らないとね!!」
そういって桜は、歩きながら、腕だけ動かして踊って私に見せる
「ダンスか~...ダンスって、自分らで曲を決めて、振りとかも全部自分らで決めるんだよね?」
「うん!!そうそう!!」

ダンスの授業が始まり、クラスの女子は、振りを次々と決めていく。

そして、個人練習が始まる。
私も、必死になって振りを覚える。
「意外と難しい...」
思わず、そんな言葉が出るほどに難しかった。

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