Blue Bird
「なるほどね。そうも考えられるか」
水道の音に混じって声が聞こえる。
「でも…それだとどうして兄が黙秘するのかわからなくて」
問題はそこだった。被害者が大翔さんに襲いかかり兄さんがそれを止めようとして誤って刺してしまった。それなら正当防衛のはず。黙秘する理由がない。けれどどんなに辻褄が合っても現実に兄が何も話さない以上成立しない。仮説よりも事実が重要になる。
「そうだな…でもわかってることは、陸のやることには必ず理由があるってことだな」
洗い終えて手を拭くとこちらに戻ってきた遼司さんが考えながら言った。
「理由…?」
「あいつは周りをよくみる人間だ。常に考えながら動いてた。何も話さないのも必ず理由があるはずだよ」
「そうですね…」
兄がそうまでして話さない理由。その理由を見つけなければならない。
水道の音に混じって声が聞こえる。
「でも…それだとどうして兄が黙秘するのかわからなくて」
問題はそこだった。被害者が大翔さんに襲いかかり兄さんがそれを止めようとして誤って刺してしまった。それなら正当防衛のはず。黙秘する理由がない。けれどどんなに辻褄が合っても現実に兄が何も話さない以上成立しない。仮説よりも事実が重要になる。
「そうだな…でもわかってることは、陸のやることには必ず理由があるってことだな」
洗い終えて手を拭くとこちらに戻ってきた遼司さんが考えながら言った。
「理由…?」
「あいつは周りをよくみる人間だ。常に考えながら動いてた。何も話さないのも必ず理由があるはずだよ」
「そうですね…」
兄がそうまでして話さない理由。その理由を見つけなければならない。