Blue Bird

みえない影と優しいもの

(りおside)

「印鑑お願いしまーす」

一人玄関越しに聞こえる大声に身震いする。被っていた毛布をさらに被りうずくまった。

自分に向けられる者のなにもかもが怖くて仕方ない。


「あのーいませんかー?」

尚も響く玄関からの声に恐る恐る近づいて扉を開けた。


「あっあのこれにサインお願いします」

宅配業者に渡された小包を受けとるとサインをして扉を閉めた。
< 210 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop