Blue Bird
「陸が逮捕されて以来ずっと心を閉ざしていた彼が、あなたに出会って昔の彼に戻りつつある、わたしはそう思ってる」


「麗美さん…」

透き通る声で次々と紡がれる言葉に圧倒されそうになる。改めてここにいる高岡麗美という人物の凄さを実感した。

彼女とちゃんと話したのは今日で2度目。そのうち一回は初めて会ったときのあの一瞬の会話。それなのに彼女は私のことを隅から隅まで観察していた。

「麗美さん…あなたは一体…」

ただ驚いて圧倒される私をみて麗美さんはクスッと笑った。


「大翔のこと、よろしくね」



「…え?」
< 296 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop