Blue Bird

真実と偽り

「それで…そんときの瞹が……で」

なにも聞こえない。さきほどから彼が私を気にかけて話しかけてくれるけれど、私の耳にはなにも入ってはこなかった。


「理央、大丈夫か」


気がつけば私の両肩を掴み心配そうにみつめる大翔さんの姿。


麗美さんと話してから数日後、RIONにきた私は複雑な思いを抱えたまま大翔さんに会っていた。


彼をみた途端どうしても麗美さんから聞いたことが頭を駆け巡ってしまう。

混乱した頭のまま彼をみた。
< 301 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop