モテないオトコ
第三章:魔法使いと秘密な彼女
――翌日

 会社に向かうと、皆の視線が冷たく感じる。
 いつものことかな。
 女子社員に挨拶しても、冷たい返事しか返ってこない。

 そういえば、誰かが言っていたな。

  無が嫌いの最大系であり
  悪態の中にも愛があるって……

 これ絶対違うよね。
 この子たちの行動のどこに愛があるのだろう?

 昨日が楽しすぎたせいで今日の女の子の対応が冷たく感じる。

 人間にとって一番つらいのは孤独らしい。
 そして、人と付き合うのがその次に怖い。
 何もなければ失うものはない。
 何かがあれば失う不安も背負わなければいけなくなる。

 俺は、同僚の菊池に挨拶をした。

「おはよう」

「ああ、おはよう。
 今日も見事に無視されてるな」

「そうだね。
 なんでかなー」

 やっぱ男友達はいいね。
 きちんと挨拶すれば返事をしてくれる。
 するとひとりの女子社員が俺の席までやってきて、そっとメモを置いて去っていった。

【お昼休み。屋上で待っています。
 笹山 美香】

「お?愛の告白かもよ?」

 菊池が、そう言ってニヤリと笑った。
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