モテないオトコ
 何もない空っぽな昼休み。
 公園のベンチに座りぼーっと空を見る。
 どれくらい眺めていたのだろう……
 気づけば隣に女の子が座っていた。
 今にも泣きそうな顔でこう言った。

「堪忍な……」

 笹山さんだった。

「どうして、笹山さんが謝るんですか?」

「恭子のこと怒ってるやろ?」

「怒ってないですよ」

 怒りよりも失望。
 失望より寂しさかな……

「ホンマか?
 ホンマに怒ってへんの?」

「むしろ、感謝してる位ですよ。
 デートなんて生まれて初めてやったモノだし」

「そうなんや?」

 笹山さんは、そんなに驚く様子もなく言葉を続けた。

「持内くんっていくつやのん?」

「30歳になりました」

 橘さんともこんな話をしたなぁー
 そう思うと虚しくなった。
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