俺様上司は、極上の男!?
①
「いいんじゃないか」
私の作った企画書に目を通し、櫟課長が言った。
「頭の悪い連中にもよくわかる丁寧で易しい内容だな」
課長の言葉は私を誉めているようで、この資料を読むであろう人たちの批判になっている。
それは、明日の会議で本企画を説明するミサキガワコーポレーションの重役たちのことだろう。
この人、やっぱ会社がきらいなんだな。そんな雰囲気が言葉から透けて見える。
今回は会社肝煎りの企画ということもあり、社長や役員を交えた会議で報告の義務がある。
メイン担当の私も出席し、資料で現在の進行状況の説明をしなければならない。
あーあ、ちょっと前までぺーぺーだったのに。
役員会議に出席することになるとは。
「明日の午後一で会議だから、資料のプリントアウトなんかは明日の午前でいい。今日はもう上がるぞ」