俺様上司は、極上の男!?
彼が私を自宅に連れて行こうとしていることは察せられた。
櫟課長はバカにしたように答えた。


「そのまま来週出社せず、自宅で死んでたら寝覚めが悪過ぎる。しかも、俺の監督責任だ。過労&病死とか勘弁してくれ」


「いや、死にませんよ……」


「おまえの免疫は今、90代の老婆クラスと思え。風邪で容易に死ぬ」


死ぬ死ぬ連呼するなよ……。
っていうか、世間ではインフルエンザが猛威を振るっている。もし、インフルエンザだったら、課長にまでうつしちゃうんじゃなかろうか。
やっぱり、私、帰った方がいいよね。

固辞の言葉を口にしようとすると、課長が遮って言った。


「頼むから、言うこと聞け」


頼んでるのに、命令口調って……。
矛盾すぎます、櫟課長。

でも、彼の気持ちに甘えてみたい気持ちが芽生えていた。
色々あって、身体もボロボロで、弱気になってるのかな。
課長の言葉には下心ではない上司としての心配を感じる。それに寄りかかりたい自分がいる。
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