俺様上司は、極上の男!?
「はい」


私は頷き、彼の自宅へお邪魔することを了承した。


重たい身体を櫟課長に支えられながら、彼の部屋に入る。
あの晩以来だ。

そう考えながら、甘い夜を思い出す余裕がない。
腕を少し持ち上げるのだって関節が痛いし、ちょっと角度を変えるだけで頭が割れそうだ。

私のコートを剥ぎ取った課長は、そのまま私を軽々抱き上げ寝室へ運ぶ。
恥ずかしかったけれど、逆らえるほど気力と体力がない。
ベッドに下ろすと、課長は私から離れクローゼットを開ける。


「シーツ代える暇がなくてすまんな。これ、俺ので悪いけど、すぐに着替えろ」


課長に放られたのは、長袖のTシャツとジャージ。


「寝とけ」


私の着替えを見ないよう気を使ってか、課長は寝室を出て行った。
しかし、そのまま玄関が開く音が聞こえる。

あらら?
課長、どこ行くんですか?
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