俺様上司は、極上の男!?
課長が迷ったように視線をさ迷わせた後、ぽつりと言った。


「やっぱり、キスだけさせろ」


「命令ですか?」


「上司命令じゃないけど命令」


私は頷き、彼の唇に自らのそれを寄せた。

触れるだけのキスのはずが、櫟課長の手が私の後頭部に伸びたと思ったら、すぐに舌で合図され唇を開かされた。
私もそれに応じる。

舌先を伸ばし、奥まで差し込み絡ませる。角度を変えて何度も味わい合い、かすかに離す。
互いの唇を噛み合い、歯列までも舐めあげ、再び深く絡ませ合う。


「ん……、あ……」


「逃げるな。……いいところだ」


キスの合間のささやきに、とろけそうになる。

本当に、私たちの身体はどこまでも馴染む。
こんな一部だけでも容易に融け合う。


「理性……残っててよかった」


時間をかけてキスをした後、唇を離し櫟課長が呟いた。

私はなんと答えたものか困り、黙って頷いた。


その晩も課長のベッドを借りた私は、それ以上課長と触れ合うこともなく、翌日の日中に帰宅した。



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