俺様上司は、極上の男!?
そのマグを持ち、狭いベランダに出る。
飲み足りなかったからというより、たまにできたひとりの時間だからゆっくりしたかった。お気に入りのウィスキーと、夜空。

頭上には満月に3日ほど足りない月が浮かんでいた。
明るく冴えた月明かりが、ウィスキーのお湯割りを美味しくする。


課長、絡まれてないかな、本部長に。

あの人、お酒強いんだろうか。
私の酒量はバレてるし、一緒にワインを飲んだことはあるけれど、あれだって私ばかりが飲んでいた。

もし嫌いじゃないなら、そのうち今日の居酒屋に連れていってあげようかな。
美味しいお店、探してるみたいだし。

ふと、こんな風に櫟課長のことを考えてしまう。

風邪でご厄介になったのは先週末。
今週、オフィスで顔を合わせても、彼に大きな変化はなく、私も通常運転を心がけている。

提出したデザインは何点か直しの指示があったものの、ムドラ側からはゴーサインが出た。
今週はパターンとサンプルの手配に動いた。

そうこうしているうちに、またしても週末だ。
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