俺様上司は、極上の男!?
②
朋子の最寄駅まで来ると、徒歩10分の道程を歩くのももどかしくタクシーに乗った。
朋子の部屋は大型マンションの一室で10階。
万が一飛び降りられたら助からない。
私は朋子の部屋付近を下から眺めるけれど、人影は見当たらない。ともかく急ごう。
エレベーターで目的階に到着すると、朋子の部屋の前に途方に暮れた顔の裕太がいた。
「朋子は!?」
「ダメだ。呼びかけてるけど、返事ない」
「寝ちゃってるってことは?」
朋子はやけを起こして、バーボンを一気飲みしたと聞いている。
「物音はしてるから、起きてるみたいだ」
私はドアに耳をつける。
確かに中で何かを引きずる音や何かを落とす音が聞こえる。朋子は酔っ払っているものの、起きているようだ。