俺様上司は、極上の男!?
私は怒鳴った。
隣の部屋の住人が何事かと顔を出し、裕太がペコペコと頭を下げているのが目の端に映ったけれど、気にせず続けた。


「人を傷つけてでも欲しかった男でしょ?ゲットしたなら堂々としてなさいよ!いつだって、悲劇のヒロインぶって!こっちの方が痛いっつうの!
そもそもね、私が裕太と付き合う前にあんたが自己主張してれば、話は違ったわよ!あんたが控えめだと思ってやってることに、周りはずーっとイライラしてんのよ!」


「もういい!ほっといてってば!」


ドアの向こうで朋子も怒鳴った。
涙声だ。


「もう、嫌なの。つぐみちゃんとの仲を壊しちゃったことも、ウジウジから抜け出せない自分も、裕太くんに愛想尽かされそうなのも。どうにもできないの。自分でまいた種だから、……自分でカタをつけるしか……」


カタ?
やっぱり死ぬ気か!こいつ!

私の頭にカーッと血がのぼる。


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