俺様上司は、極上の男!?
朋子の前で姉のように振舞うのは、弱みを見せるのが苦手な私には、ラクなやり方だった。

もっと弱いところを見せて、素直に接すればよかったのだろうか。
裕太とのことがわかった時も、涼しい顔なんかせず、泣いて怒れば朋子は安心したのだろうか。


「……私はつぐみちゃんと対等になりたい。言いたいことは言ってほしい。裏切ったことを怒ってほしい。人として、諦められるのが一番つらい……」


朋子が私の肩に顔を埋め、嗚咽した。

私が格好つけて大人の対応をしたことが、朋子の心を壊していたのか。
友達なら責めてほしいだなんて……。


「つくづく勝手で自己中だね」


私はばっさりと言い捨てた。

一方で、心中はすでに動いていた。
私も結構、単純かもしれない。それでも朋子の本音に触れて、完全に無視することはできなくなっていた。


「今日来てみてわかった。あんたのこと大嫌い。でも、あっさり死なれたら最高に気分が悪いや。私に意見したいなら、せいぜい何があっても死なないようにしてよ。そうしないと、とてもあんたを対等の人間には見られない」

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