俺様上司は、極上の男!?
朋子が私との友情に未練を残していたように、私もまた朋子の存在を否定しきれない。
友情で繋がることはもうできなくても、きっとどこかで幸せを願ってしまう。

だって、私は朋子の誠実でクソ真面目なところを、ずっと愛してきたんだから。
永らく朋子は私の親友だった。
大事で大好きで、たぶん裕太よりも少しだけ大切の度合いが大きかった。


「私は私で幸せ目指すから。あんたは裕太とハッピーエンドを迎えなさいよ。そして、私から奪ったことを正当化して見せて」


「つぐみちゃん……」


「偉そうに聞こえるかもしれないけど……、今日充分怒ったでしょ。文句言ってやったでしょ。……それで納得して」


朋子が一度、私にぎゅっとしがみついた。
私も抱擁にこたえ、彼女の背を強く抱く。

ほんの一瞬、かつて親友だった私たちの邂逅。

それから、朋子のヨロヨロの身体を裕太に預けた。
裕太が朋子を抱き締めるのを横目に、私は踵を返す。


「あとは任せた!今度こそバイバイ、二人とも」


言い切って、二人もギャラリーも置き去りに駆け出した。






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