俺様上司は、極上の男!?




パンプスを鳴らし、マンションを飛び出す。

住宅地にタクシーは通りかからない。駅前の道路は混んでいたし、走った方が早そうだ。

駅で櫟課長に二度目のメールをする。


急ぎの用件が終わったこと。あと1時間くらいで着くこと。


時計はすでに20時近い。

最悪だ、すごく待たせてしまっている。
せっかく整えたメイクも髪もぐちゃぐちゃだ。

幸いなことは、こんな時に携帯を忘れるというミステイクをしていないことだ。
よく少女漫画とかであるでしょ。
「カレと行き違いになってしまったのに、私ってば携帯忘れてる~!バカバカ~!」ってヤツ。

大丈夫だもんね。
メールは届いてるし、事情を話せば櫟課長もさほど気分を害することはないんじゃないかな。

それとも元カレに呼び出されてたってあたりがマイナスかな。
でも、この機会がなかったら、朋子の本音を聞くことはできなかったわけだから……。
< 200 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop